数日前に
貴志祐介の「黒い家」というのを購入してみた。購入した理由というのは、
駅で10分ほど時間が余ったのでとりあえずなんか買うかということだったので、
特にこの本が目的だったわけではない。
ただ、貴志祐介の本は「青の炎」を読んですっかり描写にはまりこんでしまったので、
かなりの期待を持っていた。自分はドラマとかにほとんど興味がない人間なのだが、
(というか、どうしても視覚に頼るためキャラクターに引き込まれない(役者がテレビに映ってるし)
この人の書き方には思いっきり引き込まれてしまう。まるで自分が主人公であるかのように。
自分は全く文系ではないので、文章から何かを想起させる文章というのは大の苦手なので、
この手のリアルな情景描写があるものははまりやすいようだ。
もう出てから7〜8年たってる書籍なのでネタバレもクソもないが、
「青の炎」とはかなり対照的に描かれていると思う。考えてみると当たり前か。
端的に言えば主人公が、「完全犯罪を目論む少年」と「保険金詐欺を狙う女に狙われる青年」だからな。
「青の炎」は弱者を守ろうとする正義感から相手に立ち向かうという正当性(?)が感じ取れる。
そういう意味では、主人公の気持ちにもかなり同調出来る部分がある。
「黒い家」は自分の頼りにしている人間がどんどん消えていく恐怖感や、相手の仕掛ける執拗な罠の
怖さってのを思い知らされるばかり。ほんと幸子怖すぎ。。。
久々に本を買ってものの2日ぐらいで読破してしまった。普段ゆっくり読むから10日以上かかるのが
かなり普通なのに、自分にしてはハイペース。電車も乗り過ごしそうになったり睡眠時間を削って
まで読んでいたからなぁ。
どちらも映画化されているけどどちらも見たいような見たくないような。評価は微妙のようだし、
自分の中ではバトロワの裏切られた感が相当大きく残っているからな。
どちらの書籍にもいえるんだけど、フェードアウトのタイミングが上手すぎ。
この後どうなってしまうのだろうと思った場所で終了する。あたかも話が続くように見せて。
この先は読者の想像次第なんだろうなぁと。TVのCMもこういう引っ張り方出来たらいいのにな、と思った。
とりあえず、黒い家はMATINE先生に是非読んで貰いたいなぁ。
絶対読んでくれなさそうだけど。